2010年9月1日水曜日

ソウル概観

という程、出かけていない。
宿舎の近場を歩き回り、少し地下鉄に乗り、亀の速度で街を見ている。生活用品の購入にスーパーマーケットを散策して、暴風雨に傘をやられて雨宿りし、ついでに屋根を借りた建物の中をおそるおそる見て歩く。やっとの休みの日にようやく中心地付近に出没してみた。

なんとまあ、観光客の多い事!
観光客というより、買い物客。もしくは、仕入れ客。
勿論、日本語もよく耳に入る。見栄を張ってしょうちゃんとは英語で会話する。見栄でしかない。


ソウルで思う、不思議な事★☆★

★音が多い。
地下鉄の録音アナウンス。日本語も交じりつつ、流れ続ける。しゃべってないときの方が短いくらい。
音楽も挿入されているが、機械の故障のような、電車がきしんでいるような、決して癒される事も無く、注意を喚起するわけでもなく、騒音として処理される。
宿舎の目の前の小学校は、何かの時間の区切り目に、電子音の「エリーゼの為に」をしょちゅう鳴らす。しかも、間違えたような大音量。先生、はっとして、数秒後にちょっとボリュームが下がる。(学習しなさい!)
トイレの便座もうるさい。座っても「ぴ〜ン」。立っても「ぴ〜ン」。ウォッシュレットのボタンも、ひとつひとつ鳴る。
蝉は、ゼンマイ仕掛けのように、抑揚なく鳴り続ける。生き物から出る音とは思えないので夏の風物詩にしてあげたくない。


★危ない。
宿舎前の大通りは、高速道路だったらしい。それが取り壊されていた。がれきが道路真ん中に延々と積まれ、狭くなった道幅に相当な交通渋滞を起こしていた。
ある朝、その大量のがれきが、一気に消え、アスファルトがすっかり敷き詰められていた。その間、おそらく8時間。見える限りでも200メーターはある。夢のようだ。こんなことあり得ない。あってはならない気がする。

地下鉄の車体のドアと、ホーム側のドアの開く順番が、日本と逆なのか、てきとうなのか、電車から人が降りようとしても、ホーム側のドアが開いていない事がある。とても、危ない!足を踏み外すまでに至らなくても、皆おでこをぶつける勢い。

そして、宿舎。
築、半年。しかし、既に壁には亀裂が見つかっている。隙間を埋めるパテの塗り方が甘い。素人の技(素人にも技?)だ。風の通りが良くないのか、匂いが籠る。
エレベーターもよくしゃべるが、よく動かない事がある。(昨日、点検してたね)
そんなこんなで、少し身の危険を感じつつ、残りの日数を数え始めている、成田での騒動で海外旅行者保険に入りそこなった身としては尚更・・・


★蚊が多い。
ほっそりしている。スリムである。まるで人なんか刺せない顔をしている。
なのに、夜な夜な、閉め切った部屋にどこからともなく侵入し、まぶたや掌のような難所を刺してくれる。勿論、汗だくになりながら、とことん応襲する。勝つまで戦う。獲物を捕まえたネコのように、記念の品を壁、天井に貼付けたままにしてある。(野蛮な私!)
これには意味があって、「この建物には蚊がこんなに多くいて、宿泊者はこんなに苦闘したんですよ」と、持ち主のソウル市に見せてやりたいからである。多分彼らは見ないだろう。でも、少し、気が済む。


★言語
日本と同様、なかなか英語が通じない。食堂でも毎回、手振り身振り、顔芸の悲喜劇が繰り広げられる。英語の普及率は、東アジアにおいてはかなり遅いのだと、確認。
たまに日本語を知ってる若者に出会う。テレビ等の影響でか、フランクな日本語を少し知ってる店員(男)は、「チョットマッテヨ〜」と私たちの探し物を取りに行ってくれた。観光客のひしめくエリアは、状況が違う。ほとんどの店員は基本の日本語を知っている。値段(数字)は完璧。会話はそこからスタートする。その為、こちらは逆に購入意欲が失せて、退散する。
今回のメンバーに、英語ネイティブは一人もいない。みな、母国語がそれぞれで、フランス語、韓国語、日本語、ズールー語、マダガスカル語、台湾中国語・・・。癖だらけ、間違いだらけの英語でも、力技で通じさせる人達。こういう状況にいると、英語が本当に「道具」という気がして、やや英語に対する敬意が薄くなる。言い方を変えれば、「恐くなくなる」。
そんな事と、ちゃんとした英語も学び直す事を今後続けよう、とちょっと決心する。


まだまだソウルの何も知らない。が、身の回りの出来事だけでも十分面白いし、カルチャーショックだらけだ。

この後、エクスチェンジのワークは3日続き、パフォーマンスを2回やって今回のプログラムは終了する。そして既に、来年以降の企画も6カ国間で話し始めている。つまり、今回出会った面々、みなお互いが気に入ってる、って事で、これまたインプロの妙って事でもある。
制作業から骨休めしたくて出かけたはずが、前よりもっと大量のエクスチェンジ企画をお土産にしてしまいそう。
夢の実現は自分でなんとかするしかないのか・・・。

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